「ドイツ留学体験記:理学療法士としてスポーツ界に貢献する道|TOEFL勉強会の卒業生が語る」

:プロフィール(下川翔大)

福岡県出身ラグビー歴24年
2010~2014関西学院大学
2013~2014Ruhr Universität Bochum(交換留学)
2014~2015一般企業メーカー営業
2016~2017渡独後、現地の語学学校
2017~2020BIGEST Schule für Physiotherapie(理学療法士の専門学校)
2020年8月~9月国家試験

:留学を決めたきっかけ

留学を決めたきっかけは、2つあります。1つ目は持病、2つ目は医療資格の理学療法士の資格でスポーツの世界で働きたいと思ったからです。自分は子供の頃からトゥレット症という難病を抱えており、自分の意思に関係なく声が出たり身体が動いたりします。日本では認知されていない病気の為、色々嫌なことが重なり、日本での生活が厳しくなってしまいました。それに比べドイツでは、皆が知っている病気なので、何不自由なく暮らせるというのを交換留学の時に知っていたので、もう一度ドイツに行きたいと思うようになりました。2つ目の理由ですが、将来スポーツの世界で働きたいと思っていますが、医療資格が欲しいとも考えていました。そんな時、調べてみるとヨーロッパでは所謂スポーツトレーナーという仕事を理学療法士が務めていることを知りました。アメリカのATにも魅力を感じていましたが、ラグビーをしていてドイツで理学療法士の資格を取ってスポーツの世界で働いている人はいないし、そうなるのは面白いなと思ってドイツへの留学を決めました。今は、将来絶対ラグビー日本代表のトレーナーになると決めて、頑張っています。

:どんなことを学んでいますか?

ドイツで理学療法士の資格を取るため、専門学校に通っています。ドイツには大学の他に、Ausbildung(職業訓練)という、仕事をしながら学校に通い、資格取得に従事する制度があります。学校や職業によって課程は大分違いますが、自分の場合だと、1年目はみっちり授業、2年目、3年目は午前中に病院で理学療法士として働きながら、午後は学校に行って授業を受けるという形になります。ドイツの大学が学費無料なのは有名な話ですが、一部職業を除くAusbildungでは多少お金を稼ぎながら資格を取得することが出来ます。理学療法士含む医療資格のAusbildungでは、月々学費を払わないといけません。ですが、自分の学校は、ドイツに数校しかないお金をもらいながら、理学療法士の資格を取れる学校なので凄く助かっています。ドイツで理学療法士の資格を取るには、日本の倍以上の授業量、病院実習、そして1か月ある国家試験に合格しなければいけません。その実習の中には、整形外科、外科、神経科、内科、産婦人科、小児科、新生児科、老人科、皮膚科、ICU等、普段経験出来ないような科での実習もしないといけないため、勉強は本当に尽きることがないです。

:海外の大学で学ぶ良いところは何ですか。

外国語で勉強する際には、物理的により多くの時間を勉強に割く必要があります。その為、勉強するという習慣が身に付くこと、理解力が深まることが凄くメリットだと感じています。また、勉強の過程でふと、今海外でこんなに勉強出来ている自分に自信を持てる瞬間があります。またドイツは医療先進国であることもあり、最新の情報がドイツ語で読めたりするのは、ありがたいです。また、ヨーロッパに来ると、陸続きの国にパスポートチェックもなしに簡単に隣国に遊びに行けるので、たまの休みにオランダやフランスに行ってリフレッシュ出来るのが凄く楽しいです。ラグビーの強い国に試合を見に行ったり、ドイツ国内でもスポーツ観戦が出来たりと、スポーツ好きには最高の環境にあると思います。

:今までの海外生活で一番面白かったこと

一番ポジティブに驚いたことは、どこに行っても自分の病気のことを話すと、皆が知ってくれていたり、気にしないで良いよと言ってくれることです。残念な話、日本では毎日のように嫌なことを言われ続けてきたし、今でも日本に帰る時は不安と緊張でいっぱいです。でもドイツでは、病気のせいで悪い思いをしたことがほとんど無く、逆に毎日患者さんやお会いする人たちに元気をもらっている状態です。今までそんな経験なかったので、凄く驚きました。ドイツは日本みたいに、サービスやショップなど、あったら凄く便利で嬉しいものは最低限しかありませんが、生活していく上で絶対に必要なものは日本より揃っていると思います。

:海外生活で頑張ったこと

以前、ドイツ語が上手くいかないことと、病気が原因で学校が決まらない時期が1年以上ありました。当時は苦しくて、不安やストレスで、部屋で泣いて吐いてという毎日でした。それでも諦めずに、ひたすらドイツ語を勉強して、学校に申し込み続けていると、私の州の中でも最高の学校に入学することが出来ました。海外だからこそ、上手くいかないことが多々出てくると思いますが、一番必要なのは諦めの悪いことだと思います。私も諦め悪くずっともがいていたら、いつも最後は誰かが手を差し伸べてくれました。そしてそれがいつも最高の結果をもたらしてくれます。これからも諦め悪く努力し続ければ、目標が叶うと信じる動機になったので、今でも大切な体験です。

:留学を考えている人にアドバイス

言語ももちろん必要ですが、留学に一番必要なのは心構えをしてくることだと思います。留学を良いものにするのも、悪い経験にしてしまうのも自分次第です。最初留学前に決めた、学びたいこと、なりたい姿が途中で変わってしまうのは、全く問題ありませんが、なんとなくで来てしまうと何にもなりません。せっかくTOEFL勉強会で勉強を頑張って留学に来るなら、留学に対してどういう熱量を持っているか、どういう姿勢で臨むかというところを大切にしてください。

:留学を考えている日本人にメッセージ

留学に行くこと、行ってから経験することは、小さい時に小銭を握りしめて駄菓子屋に行ったあの感覚だなといつも思います(笑)行くまでも行ってからもワクワク、その先で経験するものは、良いものも悪いものもあるって感じ。留学は自分の知識、見識、視野を広げる最高の機会だと思います。この時代に、日本から出ないのは、凄くもったいないと思います。心持ち次第で、留学は成長するチャンスを常に与えてくれます。もし留学できるチャンスがあるのなら、是非外に飛び出してみてください。
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